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企業法務の用語集
通年採用とは、春入社に向けた決まった時期だけでなく、年間を通して応募を受け付け、必要な時期に選考・入社を行う採用方法です。新卒採用で使われることが多い言葉ですが、既卒者や第二新卒、海外留学経験者、中途人材を含む採用にも活用できます。
新卒一括採用は、卒業予定者を同じ時期に募集し、選考と入社をまとめて行う方式です。研修や配属を一斉に実施しやすい反面、卒業時期や就職活動の時期が異なる人材を採用しにくい面があります。
通年採用は、募集、選考、内定、入社の時期を複数設けたり、常時応募を受け付けたりします。企業は欠員や事業計画に応じて採用でき、応募者は自分の学業や転職時期に合わせて応募できます。
通年採用は採用時期を表す言葉であり、中途採用は主に職歴のある人を対象とする区分です。そのため、通年で新卒を募集する場合も、通年で中途人材を募集する場合もあります。
制度を設計するときは、「通年採用」という名称だけでなく、対象者、応募資格、卒業時期、職歴の扱い、入社可能時期を求人ごとに明示してください。
一定の選考期間に応募できなかった学生、既卒者、海外留学中の人などにも接点を持てます。職種ごとに採用要件を定めれば、必要な専門性を持つ人材を継続して探せます。
年度初めに採用人数を固定せず、事業の開始、退職者の発生、組織変更などに応じて募集できます。採用から配属までの期間を短くできる場合もあります。
複数回の選考を行うことで、入社後の定着や評価を確認しながら採用基準を見直せます。ただし、時期によって選考基準が変わると公平性が損なわれるため、評価項目は共通化します。
求人を出し続けるだけでは通年採用は機能しません。応募受付から選考、内定、受け入れまでの期限と担当者を決め、候補者を長く待たせない運用が必要です。
職業安定法に基づき、求人企業は業務内容、契約期間、就業場所、労働時間、賃金などの労働条件を明示する必要があります。2024年4月からは、業務と就業場所の「変更の範囲」、有期契約を更新する場合の基準と更新上限なども明示事項に加わりました。
通年で掲載する求人は、途中で賃金や配属予定が変わることがあります。募集情報は正確かつ最新の内容に保ち、求人内容を変更するときは応募者へ速やかに説明します。採用サイト、求人媒体、紹介会社へ渡した求人票の内容が一致しているかも定期的に確認してください。
厚生労働省は、応募者に広く門戸を開き、本人の適性と能力に基づいて選考することを公正な採用選考の基本としています。本籍、家族の職業、宗教、支持政党など、職務遂行に関係のない事項を応募書類や面接で把握しないようにします。
選考時期が違っても、同じ職種では共通の評価表を使い、採否理由を記録します。面接官ごとの判断のばらつきを抑えるため、質問例と評価基準を共有し、定期的に研修を行います。
採用内定によって労働契約が成立していると評価される場合、企業が自由に内定を取り消せるわけではありません。内定通知書には、入社日、職種、勤務地、賃金、試用期間、提出書類、内定取消事由などを記載します。
内定取消事由を広く書けば有効になるわけではなく、個別の事情に照らして客観的に合理的で、社会通念上相当かが問題になります。新規学校卒業者の内定取消しについては、公共職業安定所などへの通知が必要になる場合もあります。
通年採用では応募者情報を長期間保管しやすいため、利用目的、閲覧権限、保存期間、削除方法を定めます。不採用者の情報を別の職種の募集に利用する場合は、当初示した利用目的の範囲内かを確認し、必要に応じて本人の同意を得ます。
採用管理システムやオンライン面接サービスを利用するときは、委託先の安全管理、国外でのデータ取扱い、契約終了後の削除などを確認してください。
通年採用は、年間を通して求人を掲載することではなく、必要な人材を継続的に探し、公平な基準で選考し、受け入れる仕組みです。採用後の配属と育成まで含めて設計することで効果を発揮します。