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配偶者同行制度

読み: はいぐうしゃどうこうせいど 

配偶者同行制度とは、配偶者の転勤や海外赴任によって別居・退職を迫られる従業員に対し、勤務地の変更や一定期間の休業を認める制度です。民間企業では「配偶者転勤同行制度」「ペアトランスファー制度」「配偶者帯同休職制度」など、内容に応じて異なる名称が使われます。

配偶者同行制度とは

共働き世帯の一方が転勤すると、もう一方は離職するか、夫婦が別居するかを選ばなければならないことがあります。配偶者同行制度は、転勤先に近い事業所への異動や休業という選択肢を設け、従業員の就業継続を支える仕組みです。

民間企業の配偶者同行制度は、法律で一律に定められた休業制度ではありません。企業が就業規則や社内規程で対象者、利用条件、期間、復職の扱いを定めます。一方、国家公務員には、法律に基づく配偶者同行休業制度があります。両者を混同しないよう注意が必要です。

配偶者同行制度の主な種類

勤務地変更型

配偶者の転勤先に通勤できる事業所への異動を希望できる制度です。夫婦が同じ会社や企業グループで働く場合に使いやすい仕組みですが、希望先に受入部署やポストがなければ異動できないこともあります。

休業型

配偶者の海外赴任や遠隔地への転勤に同行するため、一定期間の休業を認める制度です。休業中も従業員としての身分を残せるため、退職せずに帰国・帰任後の復職を目指せます。休業期間の賃金、社会保険料、勤続年数への算入、復職手続は規程で明確にします。

退職者再雇用型

配偶者の転勤を理由に退職した従業員について、事情が解消した後の再雇用を認める制度です。退職前の地位や賃金が当然に復活するわけではないため、応募期限、選考、雇用条件を事前に示しておく必要があります。

配偶者同行制度を導入するメリット

離職を防ぎやすくなる

配偶者の転勤を理由とする退職を減らし、経験を積んだ従業員との雇用関係を維持できます。採用や育成をやり直す負担も抑えられます。

従業員が生活上の選択をしやすくなる

異動、休業、再雇用という選択肢があれば、従業員は家族との生活と仕事を比較して判断できます。ただし、制度があっても利用条件が曖昧では申請しにくいため、対象と手続を具体的に示す必要があります。

導入時に規程で定める項目

制度を運用する前に、少なくとも次の事項を就業規則や専用規程に定めます。

  • 対象者:勤続期間、雇用形態、対象とする配偶者の範囲
  • 対象事由:国内転勤、海外赴任、転職、留学などの扱い
  • 必要書類:配偶者の転勤辞令、赴任期間を確認できる書類
  • 異動の条件:受入部署、職種変更、賃金・等級の扱い
  • 休業の条件:利用可能期間、延長、賃金、社会保険料、勤続年数への算入
  • 復職手続:申出期限、配属、復職できない場合の扱い

会社に受入先がない場合や業務上の支障が大きい場合に申請を認めない可能性があるなら、その判断基準も示します。同じ条件の申請を担当者ごとに異なる基準で扱わないよう、決裁過程を記録します。

配偶者の情報を取得する際の注意点

制度の申請では、配偶者の氏名、勤務先、赴任地、赴任期間などを確認することがあります。従業員の個人情報を扱う場合も利用目的をできる限り特定する必要があります。配偶者の情報は、制度の適用判断に必要な範囲に絞り、閲覧できる担当者と保存期間を決めてください。

参考:個人情報保護委員会|「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A

国家公務員の配偶者同行休業との違い

国家公務員の配偶者同行休業は、外国で勤務するなどの事情で外国に滞在する配偶者と生活を共にするための制度です。任命権者は、公務の運営に支障がないと認める場合、勤務成績その他の事情を考慮したうえで、3年を超えない範囲で休業を承認できます。法律上の配偶者には、事実上婚姻関係と同様の事情にある人も含まれます。

この法律は国家公務員を対象とするもので、民間企業の従業員に直接適用されるものではありません。民間企業が同様の制度を設ける場合は、自社の規程で条件を定めます。

参考:e-Gov法令検索|国家公務員の配偶者同行休業に関する法律

配偶者同行制度でよくある疑問

民間企業にも配偶者同行休業を認める義務がありますか?

育児休業のように、すべての民間企業へ一律に導入を義務付ける制度ではありません。利用できるかどうかは、勤務先の就業規則や社内制度を確認する必要があります。

休業中の給与は支払われますか?

民間企業では会社の規程によります。無給とする場合は、賞与、社会保険料、退職金算定、勤続年数の扱いも併せて明記します。申請前に本人へ負担額を説明できるようにしてください。

配偶者が同じ会社に勤めていなくても利用できますか?

制度の設計次第です。勤務地変更型は同じ会社・グループ内の夫婦を対象にしやすい一方、休業型は配偶者が社外に勤めている場合も対象にできます。対象範囲を規程に明記し、申請者によって扱いを変えないことが大切です。

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