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企業法務の用語集
裁量労働制とは、業務の進め方や時間配分を大幅に労働者へ委ねる必要がある対象業務について、実際に働いた時間ではなく、労使協定または労使委員会の決議で定めた時間を労働したものとみなす制度です。
裁量労働制を導入しても、どの業務にも適用できるわけではありません。省令・告示で定められた専門業務型の対象業務、または企画業務型の要件を満たす業務に限られます。
制度の名称に「裁量」があっても、会社が具体的な業務遂行方法や時間配分まで指示している場合は、対象要件を満たさないことがあります。役職名や職種名ではなく、実際の職務内容と指示の程度を確認します。
専門業務型は、研究、情報処理システムの分析・設計、取材・編集、デザイン、士業など、業務遂行の手段や時間配分を具体的に指示することが難しい業務を対象とします。
導入する事業場では、対象業務、みなし労働時間、健康・福祉確保措置、苦情処理措置、本人同意と撤回手続などを労使協定で定め、労働基準監督署へ届け出ます。
企画業務型は、事業運営に関する企画、立案、調査、分析を行う業務が対象です。単に営業企画やデータ集計という名称が付いているだけでは足りません。事業運営へ大きな影響を及ぼす企画業務を、知識と経験を持つ労働者が自律的に行う必要があります。
導入には、労使委員会を設置し、対象業務、対象労働者の範囲、みなし労働時間、健康・福祉確保措置などを委員の5分の4以上の多数で決議し、届け出ます。
2024年4月1日から、専門業務型でも対象労働者本人の同意を得ること、同意しなかった人へ不利益な取扱いをしないこと、同意撤回の手続を定めることなどが必要になりました。
企画業務型では、同意撤回の手続、労使委員会への賃金・評価制度の説明、労使委員会の開催頻度などが見直されています。継続導入する場合も、旧様式の協定や決議をそのまま使わず、改正後の事項を反映します。
参考:厚生労働省|裁量労働制の省令・告示の改正・2024年4月1日施行
みなし労働時間が1日8時間を超える場合は、その超えた時間について時間外労働の割増賃金が必要です。法定休日に働いた場合や、深夜に働いた場合も、それぞれの割増賃金が問題になります。
裁量労働制は「何時間働いても残業代が出ない制度」ではありません。対象外の業務へ適用していた場合や、必要な協定・決議・届出・本人同意が欠ける場合、みなし労働時間の効力が否定され、実労働時間に基づく未払賃金を請求される可能性があります。
賃金計算でみなし時間を使っても、会社は健康確保のために労働時間の状況を把握します。入退館記録やパソコンの使用時間など、客観的な方法を基本にします。
長時間労働や深夜労働が続く人には、勤務状況の改善、医師面談、休暇取得、業務量の調整などを行います。本人が裁量で働いたという理由だけで、過重労働を放置できません。
管理職である必要はありません。管理監督者と裁量労働制は別の制度です。対象業務と手続の要件を満たすかで判断します。
適用できません。本人同意に加え、対象業務、協定または決議、届出などの法定要件をすべて満たす必要があります。
記録は必要です。賃金計算ではみなし時間を使いますが、健康・福祉確保措置や深夜・休日労働の把握のため、労働時間の状況を確認します。
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