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市場化テスト

読み: しじょうかテスト 

市場化テストとは、国や地方公共団体が担ってきた公共サービスについて、官と民、または民間事業者同士の競争入札を行い、価格と質の両面から実施主体を決める制度です。「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」(公共サービス改革法)に基づいて運用されています。

市場化テストの目的

市場化テストの目的は、公共サービスの実施主体を固定せず、競争を通じてサービスの質の向上と経費の削減を図ることです。民間の創意工夫や専門性を活用する一方で、必要な公共性や継続性を確保する仕組みも設けられています。

市場化テストには、国や地方公共団体と民間事業者が競う「官民競争入札」と、民間事業者の間で競う「民間競争入札」があります。単に価格が最も低い事業者を選ぶものではなく、業務の質、実施体制、確実性などを含めて評価します。

参考:総務省|公共サービス改革(市場化テスト)とは

市場化テストの実施の流れ

国の行政機関などが市場化テストを実施する場合、対象となる公共サービスを選定し、業務内容や入札参加資格、落札者の決定方法、契約期間、評価方法などを実施要項に定めます。その後、公告、入札、落札者の決定、契約締結へ進みます。

受託者が業務を始めた後も、発注者は実施状況を監督し、公共サービスの質やコストを評価します。評価結果は、その後の事業の継続や実施方法の見直しを判断する材料になります。

参考:e-Gov法令検索|競争の導入による公共サービスの改革に関する法律

民営化やPFIとの違い

市場化テストは、公共サービスを誰が担うかを競争によって決める手法です。民間事業者が落札しても、行政が公共サービスに関する責任をすべて手放すわけではありません。この点で、事業や組織の所有主体を民間へ移す民営化とは異なります。

PFIは、公共施設などの設計、建設、維持管理、運営を、民間の資金や経営能力、技術力を活用して実施する手法です。市場化テストは公共サービスの実施主体を競争で選ぶことに重点があり、PFIは施設の整備や運営を長期契約で一体的に委ねる場面で用いられる点に違いがあります。

参考:内閣府|PPP/PFIとは

市場化テストに参加する企業の実務上の注意点

実施要項と契約条件を細部まで確認する

入札に参加する企業は、業務の範囲、要求されるサービス水準、評価指標、報告方法、契約期間、対価の算定方法を確認します。人員配置やシステム投資まで含めて履行可能性を検討し、安価な提案を優先した結果、必要な品質を維持できなくなる事態を避けなければなりません。

契約書では、責任分担、損害賠償、再委託の可否、監査への対応、事故時の報告、契約終了時のデータ返還や引継ぎも確認します。公共サービスを止めないため、災害やシステム障害、受託者の経営悪化を想定した業務継続策も必要です。

参考:e-Gov法令検索|競争の導入による公共サービスの改革に関する法律

個人情報と秘密情報を適切に管理する

住民情報などを取り扱う業務では、アクセス権限、持出し制限、委託先の監督、漏えい時の連絡手順を契約と社内規程に落とし込みます。再委託を予定する場合は、発注者の承認要件と再委託先の管理方法も事前に確認しましょう。

市場化テストの対象業務によっては、公共サービス改革法に基づく秘密保持義務や、受託業務に従事する者を罰則の適用上公務員とみなす規定が置かれます。一般の業務委託と同じ感覚で扱わず、対象業務に適用される法令と実施要項を個別に確認する必要があります。

参考:個人情報保護委員会|個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)

入札談合を防止する

競合企業と受注予定者、入札価格、参加の有無などを事前に調整する入札談合は、独占禁止法が禁じる不当な取引制限に当たります。業界団体の会合や共同事業者との情報交換では、共有する情報の範囲と目的を明確にし、入札判断を各社が独立して行える管理体制を整えます。

参考:公正取引委員会|公共的な入札に係る事業者及び事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針(抄)

市場化テストに関するよくある質問

市場化テストはいつ始まった制度ですか?

公共サービス改革法は2006年に成立し、同年に施行されました。これに先立ち、一部の業務ではモデル事業として市場化テストが試行されています。

市場化テストとPFIは同じですか?

同じではありません。市場化テストは公共サービスの実施主体を競争入札で選ぶ制度です。PFIは、公共施設などの設計、建設、維持管理、運営に民間の資金やノウハウを活用する手法です。対象や契約構造が異なるため、事業の内容に応じて使い分けられます。

市場化テストにはどのような課題がありますか?

価格を重視しすぎるとサービスの質や働く人の処遇に影響が出るおそれがあります。また、受託者が撤退した場合のサービス継続、行政が持つノウハウの維持、評価指標の妥当性も課題になります。実施要項で品質基準を具体化し、契約後も継続的に検証することが欠かせません。

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